人材開発支援助成金の中で、令和4年12月に事業展開等リスキング支援コースが新たに創設されました。
概要
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、事業主が雇用する労働者に対して新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
人材開発支援助成金では、従業員の計画的な職業能力開発に取り組む事業主等を支援するため、「職業能力開発推進者」の選任と「事業内職業能力開発計画」の策定・周知をしている事業主を対象としていますので、訓練実施計画届の提出までに選任・策定(※)・従業員への周知を行っていることが必要です。
※職業能力開発推進者とは
職業能力開発推進者(以下、推進者)は、社内で職業能力開発の取組みを推進するキーパーソンです。具体的には、事業内職業能力開発計画の作成・実施、職業能力開発に関する労働者への相談・指導を行います。
※事業内職業能力開発計画とは
事業内職業能力開発計画(以下、事業内計画)は、自社の人材育成の基本的な方針などを記載する計画であり、従業員の職業能力開発について、企業の経営者や管理者と従業員が共通の認識を持ち、目標に向かってこれを進めることで効果的な職業能力開発を行うことが可能になり、さらに、従業員の自発的な学習・訓練の取組意欲が高まることも期待されます。
作成した計画は従業員に周知し、職務に必要な能力や自社の育成方針について共有しましょう。
中小事業主の範囲
中小企業事業主に該当するかどうかの判断は、「主たる事業」ごとに、「A 資本金の額または出資の総額」または「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって行い、A、Bどちらかの基準に該当すれば、中小企業事業主となります。
ただし、以下の例のような資本金等を持たない事業主は「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって判断します。
(例)個人、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、医療法人、学校法人、社会福祉法人、労働組合、協同組合、協業組合
また、「主たる事業」は、総務省の日本標準産業分類の「業種区分」に基づきます。