口座振替による家賃の支払等のインボイス制度における保存要件について

通常、契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要です。
事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払うような取引については、請求書や領収書の交付は受けておらず、家賃の支払の記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけです。
このような取引は、次の事項が記載された契約書とともに、取引年月日の記載がある通帳を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。

契約書に記載が必要な事項

①適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
②取引の内容(取引が軽減税率の対象である場合には、その旨)
③取引金額(税抜金額または税込金額)を税率の異なるごとに区分して合計した金額および適用税率

令和5年9月30日以前からの契約については、契約書に登録番号等の記載が不足しているため、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を相手方から受け、契約書とともに保存していれば差し支えありません。

このような取引の都度、請求書等が交付されない取引について、取引の中途で取引の 相手方(貸主)が適格請求書発行事業者でなくなる場合も想定されます。
そのため、必要に応じ、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で相手方が適格請求書発行事業者か否かを確認する必要があります。

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